マラソン厚底シューズの効果とは?ナイキとアシックスを徹底比較

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マラソン大会や世界陸上を見ていて、「あの派手な厚底シューズって本当に効果あるの?」と気になった方は多いのではないでしょうか。

実際、ナイキの厚底シューズが登場して以降、世界のトップランナーの記録が次々と更新され、厚底シューズは“革命”と呼ばれるほど注目を集めました。

そして今、その流れに挑戦しているのが日本メーカー・アシックス。

世界陸上東京2025では、男女マラソンの出場選手の約3割がアシックス製の厚底シューズを選び、存在感を示しました。

この記事では、厚底シューズの効果を科学的な根拠と実績から解説しつつ、ナイキとアシックスの違い、一般ランナーにとってのメリット・デメリットをわかりやすく紹介します。

「買うべき?」「効果は本当?」と迷っている方に役立つ内容になっています。

目次

厚底シューズとは?なぜマラソンで注目されているのか

厚底シューズとは

厚底シューズとは、従来のランニングシューズよりも靴底が極端に厚い構造を持つシューズのことです。

一般的なシューズの靴底が20〜25mm程度なのに対し、厚底シューズは30〜40mm。

見た目でも一目で分かります。

特徴は大きく2つあります。

  1. カーボンプレート内蔵
    ソールに炭素繊維の薄い板を入れることで、バネのように反発力を生み出し、蹴り出しを推進力に変換します。
  2. 高反発素材を使用
  3. ナイキ「ズームXフォーム」やアシックス「FFブラストターボ」など、弾むようなフォーム材で衝撃を吸収しつつエネルギーロスを最小化。

この構造によって、少ないエネルギーで効率よく走れるため「疲れにくいのに速い」と評判を呼んでいるのです。

ナイキが火付け役となった厚底ブーム

厚底シューズが一気に注目を浴びたのは、2016年リオデジャネイロ五輪でした。

ナイキの試作品を履いたランナーがマラソンで複数のメダルを獲得し、世界中が衝撃を受けました。

さらに2019年の東京五輪代表選考会(MGC)では、ピンク色のナイキ厚底が上位を独占

これを機に「厚底=速くなるシューズ」というイメージが定着し、トップ選手から市民ランナーまで広がっていきました。

世界大会や市民マラソンで使用率が急増

現在では、厚底シューズは世界大会でも市民レースでも当たり前の存在になりつつあります。

箱根駅伝や世界陸上では、ナイキやアシックスの厚底を履く選手が多数

市民マラソン大会でも上位ランナーの多くが厚底を愛用しています。

なぜ注目されているのか?その答えは、実績と使用率の高さにあります。

「履けば本当に速くなるのか?」という疑問に対し、世界の舞台で結果を出していることが最大の証明となっているのではないでしょうか。

筆者

最近の世界大会や箱根駅伝でも、使用率が圧倒的に高く、厚底シューズはもはや「当たり前」の存在になりつつあるようですね

厚底シューズの魅力と効果

厚底シューズの魅力

厚底シューズの最大の魅力は「同じエネルギーでより速く走れる」 という点です。

カーボンプレートと高反発素材が推進力を生み、着地から蹴り出しまでのロスを最小限に抑えます。

その結果、研究では従来シューズに比べて ランニングエコノミーが4%前後改善 するというデータも発表されています。

フルマラソンで数分のタイム短縮につながる可能性がある!

世界陸上・箱根駅伝での実績

実際に厚底シューズを履いたランナーは、世界大会や国内の主要レースで目立った結果を残しています。

・2016年リオ五輪:ナイキ厚底シューズを履いた選手がマラソンで複数のメダル獲得

・2019年 MGC(東京五輪代表選考会):上位選手の多くがナイキ厚底を使用

・2025年世界陸上 東京大会:男子・女子マラソンともに出場者の約3割がアシックス製を着用し、日本選手も入賞

筆者

こうした実績が「厚底=速くなる」というイメージを一層強めているのでしょう

一般ランナーにとっての効果

「トップ選手だけじゃないの?」と思うかもしれませんが、市民ランナーにとっても効果は期待できるようです。

・タイム短縮:フルマラソンで1kmあたり数秒ペースアップできる可能性

・疲労軽減:反発素材の恩恵で後半に足の疲れが残りにくい

・モチベーション向上:「厚底を履いている」という安心感や高揚感

フォームが安定していない初心者にはメリットが出にくく、逆にケガにつながることもあるため注意が必要

ナイキとアシックス 厚底シューズの違い

ナイキはスライド型、アシックスはピッチ型と言えます。

それぞれ詳しく解説していきます。

ナイキ:厚底ブームの先駆け

ナイキが発売した「ズームX ヴェイパーフライ」シリーズは、厚底シューズブームの火付け役です。

特徴:軽量かつ高反発の「ズームXフォーム」と、全長カーボンプレートを搭載。

効果:大きなストライドで走る「ストライド走法」のランナーに向いており、一歩ごとの推進力が非常に強い。

実績:世界記録保持者や五輪メダリストが着用し、数々の大会で結果を残している。

まさに「厚底=ナイキ」という時代を作った存在です。

アシックス:Cプロジェクトで巻き返し

一方、日本メーカーのアシックスは「Cプロジェクト」で厚底市場に本格参入。

特徴:ランナーの走り方に合わせて「ピッチ型」「ストライド型」それぞれに最適化したモデルを展開。

効果:歩数を多く刻む日本人ランナーに合わせた設計で、特にピッチ走法の選手に相性が良い。

実績:2025年世界陸上東京大会では、男子・女子マラソン出場者の約3割がアシックスを選択。日本人選手も入賞に貢献。

「ナイキ一強」と言われた時代から、アシックスが世界レベルで存在感を取り戻しつつあるようです。

どちらを選ぶべき?

ストライド型(大きな歩幅で走る人) → ナイキの厚底が有利

ピッチ型(回転数を重視して走る人、日本人に多い) → アシックスの厚底がフィットしやすい

初心者・中級者 → まずはアシックスの方が扱いやすいケースが多い

結論として「どちらが優れているか」ではなく、自分の走法や目標に合った方を選ぶことが最も重要です。

厚底シューズのデメリットや注意点

足への負担とケガのリスク

厚底シューズは推進力が強い反面、クッションが大きくフォームが安定しにくいという特徴があります。

特に初心者ランナーが履くと、足首やふくらはぎに負担がかかりやすく、シンスプリントやアキレス腱のトラブルにつながるケースもあります。

「履けば速くなる」というイメージだけで使うのは危険といえる


初心者ランナーには扱いが難しい

厚底シューズは反発を推進力に変える設計なので、一定のスピードを維持できるランナーに効果を発揮します。
ゆっくりジョギングするレベルでは反発が生かせず、むしろ走りにくく感じることも。

そのため、フルマラソンで サブ4(4時間切り)以上 を目指す中級以上のランナーに適しているといえます。


大会ルールや規制の動き

一部の大会では、シューズの厚さや構造に関して制限が設けられています。

国際陸上競技連盟(WA)は「靴底の厚さは40mmまで」とルール化。ナイキやアシックスの最新厚底モデルは規定内に収めていますが、ルール違反になるシューズは使用不可です。

大会によっては事前チェックが行われることもあり、購入時には最新の規制情報を確認しておく必要があります。


価格の高さ

厚底シューズは最新素材を使っているため、価格が 2万円〜3万円台 と高額

さらに寿命が短く、500〜600km程度の走行で反発力が落ちるとされるため、コストパフォーマンスの面ではデメリットになります。

どんなランナーに厚底シューズは効果的?

サブ3を目指す上級ランナー

フルマラソンで3時間を切る「サブ3」を狙うランナーにとって、厚底シューズは強力な武器です。
一定のスピードを長時間維持できる脚力とフォームがあるため、厚底の反発を効率よく推進力に変えられます。
実際、サブ3達成者の多くは厚底シューズを愛用しています。


サブ4を狙う中級ランナー

4時間切り(サブ4)を目指す中級ランナーにも厚底シューズは有効です。

・後半の脚の疲れを軽減

・ペース維持がしやすい

・モチベーションアップ

ただし、フォームが安定していない場合はケガのリスクがあるため、練習で十分に慣れてから本番で使うことが重要です。


フォーム改善に取り組んでいるランナー

厚底シューズは「正しい姿勢」で走ると効果を最大化できます。

重心を前に乗せるフォームや、着地から蹴り出しまでのスムーズな動きができれば、より大きな推進力が得られます。

そのため、フォーム改善を意識しているランナーにとっては成長をサポートする一足になります。

まとめ

厚底シューズは、確かにランニングエコノミーを改善し、トップ選手だけでなく一般ランナーにとっても「タイム短縮」「疲労軽減」といった効果が期待できます。

一方で、走り方に合わないとケガのリスクが高まったり、初心者には扱いが難しいといったデメリットも存在します。

ナイキは“ストライド型”に強く、アシックスは“ピッチ型”にも対応できるという違いがあるため、自分の走法や目標に合った一足を選ぶことが大切です。

✅ 記録を狙うなら試す価値あり
✅ 初心者はまず通常シューズで基礎を固めてから
✅ ナイキかアシックスかは「試し履き」で判断

厚底シューズは「魔法の靴」ではありませんが、使い方次第で強力な武器になります。

次のレースで自己ベスト更新を目指す方は、一度試してみるのもいいかもしれませんね。

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